世界中の人に会える場所|Healthy Penguin Cafe ルーニーマイケル/ルーニー千春

松本で生活した理由

喋るのへたくそだからな、、、。(笑)
無理だよ、、、。(笑)

もともと料理がすごい好きで家でよく料理を作っていました。
「カフェを開きたい。」という思いはもともと持っていて、松本に来てから4か月ほどカフェで働いていました。
でも、実際は、松本に来てから4か月後にオープンするなんて思ってもなかったよね。(笑)
当時は「いつか開く。」ぐらいに思っていました。(笑)たまたま良い物件が空いていたのです。

私はオーストラリア出身ですが、オーストラリアでの仕事に飽きてきて、新しいことをしたいと思っていました。それが松本に来た一番のきっかけです。少し日本語を勉強したことがあるので、日本語を覚えたかったこともあり、ワーホリで日本へ行きました。
そこで今の妻に連絡をしたんです。
妻は、学生時代にワーホリでオーストラリアに来ていた経験があり、そこで出会いました。それからはずっとお友達の関係でいたのですが、私が日本へ行く時に、妻以外お友達がいなかったので、当時、会った以来に連絡をしました。
その後、付き合って、結婚して、、、。(笑)

それから、日本でまずは二人で長く定住する場所を探していました。
私は、スノーボードが好きで、最初、新潟や北海道のスキー場で働いていた経験があります。長野はスノーボードも出来て、妻の実家である神奈川にも近い。
オーストラリア人の友達が松本に住んでいて、「すごい良いところだよ。」ということも言われていました。
実際に住んでみると環境的にも東京よりも人が少なくて、ゆったりとしたペースが良い。
松本のことがすごい好きになりました。

店名に込められたエピソード

妻にプロポーズをする時に、オリジナルなプロポーズで伝えたいと思っていました。
そう考えた時にペンギンのプロポーズの仕方がすごい可愛くて、そのようにプロポーズをしました。
オスペンギンがプロポーズの時に、メスペンギンに小石を渡すんです。
メスペンギンがその石を拾い上げたら、結婚成立です。(笑)
本当です!!(笑)

なので、私は、プロポーズの時にフォトアルバムと石をあげました。
そこから「ヘルシーペンギンカフェ」という名前が付けられています。
あとは、ヘルシーはカフェの象徴的な言葉なので、覚えやすい名前かなとも思います。
それから、友達からも親からもペンギンにまつわるプレゼントをもらうようになりました!(笑)

カフェを通して私たちが出来ること

カフェは去年の12月にオープンしたので、半年を過ぎたくらいになります。
お店のこだわりは、100%植物性原材料を使用していて、卵や乳製品などの動物性の食材は一切使っていないこと。
どんな人でも楽しめるというのは私たちのやりたかったことです。様々な食事制限がある人がいるとは思うのですが、この場所に来れば誰でも楽しく食べることが出来るというのが良いかなと思いました。
環境問題や、野菜、果物の持つパワーを意識していて、このお店にきて「体の調子が良いな。」と思ってくれれば、良いかなと思いました。
私達も普段から食にすごい気をつけているので、その想いを反映しています。

このようなカフェの形になったのは、自分でビジネスをするのならば、社会や環境問題、自然に貢献できるようなビジネスをしたいと思っていたからです。
オーストラリアには健康や、環境問題に配慮したカフェはとても多くあります。
例えば、ストローをステンレスにしてプラスチックは使わないことや、ラップを使わないといったことです。
私達もこのようなビーガンカフェがすごい好きで通っていたのですが、松本にはこういったお店がないと思っていました。
ただ、良い空間、美味しい料理を提供するだけではなく、環境問題などを考えなければならない時代かなと考えています。
今、子どもがいて、将来のことを考えるとすごい大切な問題かなと思います。
ビジネスとなるとこういったことに目を向けるのは難しかったりするのですが、意識してお店づくりをしています。

世界中の人に会える場所

お店をオープンしてから半年以上経ちましたが、オープン当初思っていたよりやることが多いと感じています。(笑)
そういった大変な部分もありますが、お客様から「美味しかったよ」「また、来ます」といった言葉をたくさん頂けることがすごくうれしく思っています。

また、お店をやっていて好きなところが海外のお客様がたくさん来店してくださると言うところです。松本市は東京みたいな大都会ではないのに、世界中の人の会えるんですよ!
旅人に会えて、いろんな旅の思い出を聞かせてくれて、自分も旅をしているような気分にしてもらえる。ヨーロッパ、南米、北米、アジア、世界中から来店されます。
特に、私はスコットランド人であり、オーストラリア人であるので、同じ故郷の方が来るのは地元の話ができて嬉しいです。
これは想定していない本当にうれしい誤算でした。
松本には、すごく良いコミュニティーがあります!
結構外国人通しの知り合いも多いんですよ。

Healthy Penguin Caféのこれから

今、カフェを中心に営業していますが、イベントなどを通していろんな方が来られる場所になって欲しいと思っていて、コミュニティーとしての機能を充実させたいと思っています。ここのお店に来て下さるお客様同士が仲良くなる姿を見ると、とても嬉しい気持ちになるので、こういったことが多く起きてほしいと思います。
「Healthy」という言葉には食事だけでなく、いろんな要素があるかと思います。
なので、ヨガなどといった様々なものを取り入れて、バランスの良いライフスタイルを提供していければと思います!
上手くしゃべれない、、、。(笑)

葛藤を表現する場所|The Storyhouse Cafe クック クリス/クック 久美

子育て中に感じた想い

最初の出会いは、12年ぐらい前に、私が学生の頃にシアトルに留学に行っていた時です。
留学中に交際を始めましたが、私は1年間で留学を終え、日本に帰ってきました。
その後も遠距離で交際を続けていて、卒業後は、2年半ほど日本で就職をして、結婚を機にシアトルに行きました。シアトルでは3年ほど住んでいました。
その間に1人目の娘が生まれ、その時から子どもの育て方や仕事のやり方を考え始めました。
そこで思ったことは「働きながら家族の時間をもっと持ちたい。」ということでした。
夫は朝7時ぐらいに家を出て、18時ぐらいに帰ってくるサラリーマンをしていていました。そういった生活に私はずっと娘の成長を見ていますが、一緒に育てている感があまりなくて、せっかく日本の文化、アメリカの文化の両方を教えてあげられるのに「もったいないな」という想いがありました。
家族で過ごせる時間を持ちながら、私たちが出来ることは何かなと考えた時、その答えは自分たちでビジネスをすること。そして、考えた末行き着いたのが、”カフェ”をやることでした。

葛藤を表現する場所

文化的な違いがすごくあると思うのですが、子どもがいると今までの生活スタイルが変わってきて、日本だとレストランに行くにしても子どもがいると「騒いでしまったらどうしよう。」といったことを考えてしまいます。でも、アメリカでは、そういったことに寛容なところがあります。
アメリカでは、お店にキッズスペースがあったり、子どもの為の制度も充実しています。
日本での子育ての難しさや、生きづらさを感じて、そういった葛藤をお店で表現しています。
その取り組みの1つがお店でやっている「Story Time」です。
子ども為の読み聞かせを向こうでは図書館でやってくれていて、それがすごい良いなと感じていました。
英語や中国語、スペイン語など色々な言語の本を無料で読み聞かせてくれたり、歌であったり、様々なことをやってくれます。
そういったアメリカにはあるけど、日本ではまだ整っていないものが出来たら良いなという想いをカフェで表現することにしました。

子どもたちも一緒に家族で来ることができる場所作りが前提となっています。
また、そのような場所に英語をプラスした空間を作りたいと思っています。
今後、英語が子どもには必要だと思っていて、レッスンに通っている子は多いと思います。ただ、習うだけでなく、習ったことをお店で使う事や、実際に、「外国人はこういう風に会話するんだな」ということをここで知ってもらえればと思います。

働き方と生き方

夫が以前、会社で働いていた時は、この生活が「楽しくない。」と話していました。私はその発言に対して、「そんなに楽しくないなら、違う仕事をすれば?」とずっと言っていました。
違う会社で働くことも考えたのですが、結局は、会社の中で働くことが楽しくない。
であれば、「自分たちでビジネスをやりたい。」と思い、サラリーマンをやめる決断をしました。

なかなか仕事を辞めるという決断は難しいと思いますが、夫は、「仕事が大変だ。」「仕事がつまらない。」と思いながら仕事をやっている人も理解はできるけど、そういう人を見たら「違うことをやれば?」と思うというのはいつも言っています。
今は、変わってきたと思いますが、日本では社会的に転職のイメージがあまり良くないので、そういう面ではアメリカでは、仕事をしながら大学へ行く人も多くいますし、30代でも派遣みたいなところでいろんな仕事をしている人もいるので、働き方の選択肢はアメリカの方が多い印象は持ちました。

収入は不安定だし、不安もあります。
ただ、今は、会社にいるときの、「誰かの為に働いている。」といったストレスを感じずに働いています。
幸せの定義は人それぞれだと思いますが、今は家族の時間があり、ストレスを感じずに働いている。自分たちでやっている分、「これやりたい!」を実現できる環境はとても楽しいなと感じています。
失敗しても、成功しても全部自分に返ってきますが、、。(笑)

松本に住んだ理由

出身は横浜の方で、松本には縁もゆかりもありませんでした。
アメリカから日本に住む場所を変えるにあたって、いろいろ条件を付け全国で探していました。
松本には旅行で来たことがあったのですが、夫が山や、松本城が好きというのもありますし、私も子育てをするのにどういう環境が良いかと考えると自然が近くにあるのはすごくプラスに思えました。

あとは、街のサイズです。
2人でやっていくのにあまり大き過ぎず、かといって小さ過ぎずというところで長野県のどこで住もうかなと考え、松本に住むことに決めました。

プライベートでは

普段は、私と夫は英語で話しています。私と娘は80%日本語。夫と娘は英語で話しています。喋り始めた2歳~2歳半ぐらいの時には、日本語、英語の区別がつかなくて、両方を喋っていましたが、ある日パパに日本語で話しても伝わらないことに気づいて、そこからは人によって使い分けるようになりました。(笑)

大切にしていること

カフェはオープンして1年半経ちました。
大切にしていることは、自分たちもお客様も楽しめる空間を作ることです。
なので、山のパンフレットを置いたり、自分たちで改装を行ったので、DIYが好きな人に見てもらいたいと思ってますし、自分たちが好きな物をお客様に楽しんでもらいたいと思ってます。
DIYに関しては、もともと旅館だった物件を全部夫が作りました。(笑)
特別な大工経験は無かったのですが、基本的な床を張る、壁を作るといったことはできるので、次はカウンターを作ってとやっていったらお店が完成しました。(笑)
「こういう事が好きだよ」「こういうので楽しんでる」といったことをお客様に見せることで、お互い共鳴し合えれば出来たら良いなと思っています。

今後の展望

やりたいことはいっぱいあります!(笑)
2店舗目のお店をもったり、違う業態のバーをもったり!(笑)
2か月に1回ぐらいのペースで、お店にミュージシャンを呼んで音楽イベントをやっているのですが、狭いのでもっと広いライブにしたい!とか(笑)
やりたいことはいっぱいあって、常に「こういったことをやりたい」と考えることは、楽しいし、生きがいにもなってます。

最後に一言

誰でも楽しめる空間を作っているので、気軽に足を運んでいただいて、楽しみながらホームメイドの物を食べにきてください!!