五感に訴える活力ベーグルを|ナチュラルベーグル歌 小熊 かずこ

飲食から離れて気付いた素直な想い

出身は埼玉です。それから東京の大学へ行ったり、東京へ住んだりといった生活をしていました。大学時代はクルクルパーでしたね。(笑)
当時は、ブラジル音楽に没頭していて、ラテン音楽を演奏するサークルに属していました。入学の時にオリエンテーションでサンバパレードで練り歩いている人がいて、その人たちが気になってしまって。(笑)
そこから部室のドアを開いたのがきっかけです。どっぷりつかって色々聞いたのと、実際にブラジルまで行ったりしました。バンドはずっと続けているので時々、ブラジル音楽を演奏したりしています。

学生時代のアルバイトは飲食をずっとやっていましたが、あまり深く考えずにアルバイトをしていました。手っ取り早いと思ってやっていたのと、あとはまかないが食べられるとか。(笑)
深い意味はなくやっていたけど、振り返るとずっと飲食が好きでやっていたと思います。オフィスで一瞬働いたことがあるんだけど、やっぱり匂いが無かったり、食器の音がしなかったり、蒸気の音がしなかったり、火の音がしなかったりとかなんかつまらなく感じて。五感に訴えてこない。だからそれがものすごいつまらない、合わないなと感じて、それから「ずっと飲食を好きで選んできたんだな。」と後から気づきました。

長野でお店を

大学卒業後は、結婚、出産があり、戻ってきた後もランチを手伝う飲食から始めました。
長野県に来るきっかけは、パン屋さんで何年か働いていた時に、移動販売のカフェを最初やろうと思っていたことです。その移動販売するための工場を探していて、どこが良いかなと探していたことがきっかけです。長野で最初からやろうという気はなかったのですが、親戚絡みの関係で、長野に縁があり、今の場所でお店をやることとなりました。外見はお店っぽくないけれど、作る場所として利用するのならば、誰か見に来るわけでもないし、問題ないのではという事で使うことになりました。
ただ、工場にするのにも改装位にお金がかかるということで、そこまでお金をかけるのならば、ここで店舗として使ってしまえばと言う発想に変わりました。

関東圏でしか暮らしたことが無く、長野で暮らすことにいろんな驚きはあったのですが、いろんなことが「良いじゃん!」と思えるようになりました。水も綺麗だし、野菜も美味しいしといったことです。当時、有機野菜などの良い野菜を遠くから取り寄せるという事をやっていて、それに対してはちょっと不自然さを感じていました。それが地元の良いものを食べることができるという自分のライフスタイルより自然な形で実現できるのではないかと思って、逆に良いじゃないと思うようになりました。

ベーグルを焼くまで

お店を始めてからは今と同じベーグル屋をずっとやっていたのですが、当時は販売だけやっていました。当時、あまりバターや乳製品を取らない生活をしていたことや、パン屋さんで働いていた時も、アレルギーで乳製品を食べれない子が増えているという実感がありました。
なので、そういった子でも誰でも食べることが出来るパンを作りたいと思っていました。当時、一緒に働いていた若い男の子たちもたくさんパンを食べていると健康診断に引っかかってしまうんです。理由は、糖分や、油脂の取りすぎです。
なので、「これを毎日食べていたら体に負担かかるよね。」と思って、毎日食べても負担が残らないものをどんどん絞っていった結果、ベーグルになりました。
ベーグルのゆでて焼くという工程が、国産小麦のモチモチとした触感と良く合うのではないかという気持ちもありました。

10年の節目を迎えて

お店は今年で10年になります。
当時小学生だった子が上京をして、お母さんがその子に「ベーグルを送ってほしい。」と言ってくれたりします。その子にとっては故郷の味ではないけど実家の近くにある懐かしい味になっているというのは、意外ですごくうれしいことですね。
自分だけでなく、お客様といった周りのことでこの月日を実感します。

この10年間は、「お客様に嘘をつかない」という事を大切にやってきました。
また、自分にも嘘をつかないという事にも繋がると思います。
嘘をつかないというのは当たり前のことなのですが、「○○産の物を使っています」といったことや、失敗して崩れてしまったら正直に伝えて、安く販売すると言ったことです。
地域のご高齢の方や、子育て世代に支持されているかなという気がしています。
無添加や、地元の野菜を使っているといったことを前に出しているので子育てに気を遣っている方に支持されているかなと感じています。

労働体系というか自分の働き方にも意識を置いてやっています。飲食店ってどうしても長時間労働になりがち。特に店主は人件費を削るために自分で働いたりとか。そこをどうにか新しいやり方でやっていきたいなと思っています。これから年を重ねていくし、自分が疲れてしまっては良くないので、もう少しゆとりのある働き方をしたいと考えた時に、「少し違うかな。」という想いがあって色々考えているところです。
なにかあるのではないかと思っていて、みんなヘトヘトになるのではなく、無理なくコンパクトに働くスタイルを構築していきたいと思っています。

私のプライベート

普通の生活が好きだなということを自覚してきています。ただ、お家の外にでて月を見ながらコーヒー飲んだり、ビール飲んだり、生活そのものを楽しむことが好きです。それは気持ちにゆとりがないと出来ないと思ったりもしています。
少しテーブルを彩良くしたり、家をきれいにするのもそうです。生活そのものを好きにすることを楽しんでいます。

最後に一言

父親だったり、母親だったり、会社員だったりいろいろあると思いますが、日々の肩書きを外して、自分の時間の為にゆっくりいらしてください!

ナチュラルベーグル歌
■住所 長野県松本市深志3-8-17
■営業時間
ベーグル販売 10:00~18:00(売切れ次第終了)
カフェ営業  10:00~17:00(16:30ラストオーダー)
定休日 月、火(不定休)
■TEl 0263-35-8876