ルーティーンの意味|FIFTY-ONE COFFEE 佐藤 等

私のルーツ

生まれた場所は仙台です。ですが、父が転勤族だったので、ほんの少ししか仙台にはいませんでした。仙台での記憶はほとんどなく、住んだ期間が長いのは愛知県ですので、出身は愛知県と言っています。
小さい頃から野球がずっと好きで、愛知県に住んでいたこともあり、中日ファンでした。父は巨人ファンですが、、。(笑)ごく普通の学生生活を送り、高校卒業後は、環境問題に興味があったので、関東の大学に進学しました。
当時、コーヒーや食の仕事をすることは、全く頭にありませんでした。

衝撃の1杯

コーヒーに興味を持ち始めたのは、大学時代です。とんでもなく美味しいコーヒーに出会ったんです。(笑)卒論を書くために研究室にこもっていた時でした。その大変だった時期に、1つ上の先輩がコーヒーを淹れてくれ、その1杯が超美味しかった。

「これなんですか!?」と聞くと、その先輩はドリップでコーヒーを淹れてくれていたのです。衝撃を受けましたね。それまで缶コーヒーやインスタントコーヒーは飲んでいたのですが、この1杯を頂いてから、コーヒーに興味を持ち始めました。本格的なコーヒーとの出会いです。ですが、卒業後にいきなりコーヒーに関わる仕事を始めようと思ったわけではなく、趣味の1つになったような感覚でした。
卒業後は、技術系の仕事に就きます。

コーヒーを仕事に

技術系の仕事をしながらも、徐々に「コーヒーを仕事にしたい。」という想いが強くなってきた訳ではありません。きっかけは、30歳を過ぎた頃から、当時の仕事に対して「この先このままで良いのかな。」と考える時期があったことです。

今までを振り返った時に、自分に向いているか向いていないかはわからないけれども、仕事にストレスを感じている部分があって、「本当に自分がやりたいことはなんだろう。」と考え始めました。その時に、「好きなコーヒーで仕事をやりたい。」という想いが初めて出てきて、思い切って業種を変えた転職を決断しました。当時、32歳の頃だったと思います。
転職当初は「独立したい。」という想いでは無くて、「コーヒーに関わる仕事をしたい。」という想いでした。なので、3年程、自家焙煎のコーヒー店で焙煎を担当していました。なかなか焙煎の募集は無いのですが、たまたま募集を見つけることができて、「チャンスだ!」と飛び込んだことがきっかけです。

独立の道へ

働いている中で、「自分のお店を持ちたい。」「自分の味を出したい!」と感じるようになりました。欲が出て来たのかもしれません。(笑)
自営業をする決断をしたのは、このようなことを考えている時期に、親族の空き家の話があり、「このチャンスを生かしたい!」と思ったからです。その空き家は、今のお店にあたるのですが、もともと私の父の実家です。私の祖父が、この場所で八百屋をやっていたのですが、亡くなってしまい、空き家になっていました。もちろん自営業をやるリスクはありますが、会社を立てたり、人を雇うような大きなリスクではありません。自分にしか責任が来ないので、「ダメだったらしょうがない。また、違う場所で働けば良い。」と割り切って決断ができました。開き直りの面がありますね。(笑)

前にやっていた仕事と、この仕事を比べた時にどっちが幸せかを考え、自営業にして自分でやることの方が良いと考えました。当時、35、6歳の時です。もし、家族がいれば、家族の想いもあるので、好き勝手動くことはできなかったと思います。今も残念ながら一人ですけど、、。(笑)

店名の由来

僕自身、野球がすごい好きで、お店を開く時は、「野球に関する店名をつけたい。」という想いがありました。野球選手の中で1番好きなのが、イチロー選手。象徴的な背番号は「51」です。

その名前をつけて、「FIFTY-ONE COFFEE」と読んだ時にすごい語呂が良くて、「カッコ良い!」と。イチロー選手を好きになったのは、愛知に住んでいたということもあるのですが、選手としての凄さに惹かれていました。
イチロー選手はルーティーンを大切にする選手としても有名です。ルーティーンと聞くと、単純作業というイメージを持たれる方がおられると思いますが、実は逆です。自分のベースを理解しているかどうかの判断基準になるんです。ルーティーンを毎回続けることによって、何かズレが合った時に、自分でわかる。その時に、どこを修正すれば良いかを理解できる。なのでルーティーンは、とても大切なのです。パフォーマンスを最大限発揮するための目安になっているのです。

私のルーティーンは焙煎の中にあります。常に決められたルーティーン焙煎というものがあり、気候や豆の状態などで、味にズレがでる時に、「どうしたら出したい味がでるのか。」が見えてきます。なので、ルーティーンを決めるということはすごい大切で、ベースを維持するための基準になります。イチロー選手は、選手としてすごいだけでは無く、物事の考え方や会見の言葉などが自分の仕事に置き換えることができるので、それがとても勉強になっています。

余談ですが、イチロー選手のレアな試合を小さい時に見ています!松本市の松商学園とイチロー選手の母校である愛工大名電の甲子園での試合を見に行ったことがあります。当時はまだ有名ではありませんが、、、。今思えばすごい試合を見たなと。(笑)

日常の一部に

「コーヒーをお客様のライフスタイルの中で楽しんで欲しい。」という想いが強いです。なので、スペシャルティコーヒーに特化するといったことなどはせず、焙煎度合い(ロースト)や販売価格のバランスをとって幅広く展開しています。

ご来店された時に、お客様のお好みにどれか1つでも合うことを大切にしていて、バリエーション多く豆の種類を取り揃えています。お店に来れば、何か1つでも好みに合うものがある。そして、「ここのコーヒー、やっぱりうまいね!」と言っていただけることが僕にとってすごく嬉しいことです。お客様のペースで定期的に日常使いができるお店になっていきたいと思っています。気軽に入れるお店を目指しています。

私の逸品

当時、研究室で飲んだコーヒーが今でも1番好きなコーヒーです。キューバの「クリスタルマウンテン」というコーヒーです。正直、お値段の高いコーヒーです。(笑)今、色々なスペシャルティコーヒーが飲める時代になりましたが、クリスタルマウンテンが僕の中ではベストです。

大学時代の衝撃はもちろんあるのですが、色々なコーヒーを飲んできた中でもやっぱり1番美味い。不思議なんですけどね、、。(笑)当店でもクリスタルマウンテンを開店時から販売していましたが、数年前に天候不良等ですごく仕入れ価格が上がってしまって、今は販売していません。その代わりにキューバの一般品を置いています。クリスタルマウンテンの価格が落ち着いてきたら、また、復活させたい想いがあります。もう少しお手頃な価格でお客様が手に入る価格になればと思います。このコーヒーは僕の中で、特別想い入れのあるコーヒーなので、「お店を開く時に必ずキューバのコーヒーは置きたい。」と思っていました。早くクリスタルマウンテンを置くことができればと思っています。

「やりたい。」を実現する為に

まずは、妄想することが良いと思います。自分が「やりたい!」と思うことがあれば、強く妄想してみる。妄想した上で、ちょっと現実に戻って、「果たしてそれが自分に出来るのか。」と冷静に考えてみる。妄想する自分と、見つめ直す自分を作り上げて比較すると見えてくるものがあると思います。良いことばかり考えると失敗する。失敗するというか、何かあった時に修正しづらくなる。両方の視点で考えて、「いける!」と思った自分がいれば、やって良いと思います。ハッキリしなければ辞めた方が良いと思います。

勢いは必ず必要です。きっかけを逃すともう実現できないかも知れないので。ここまで考えて生まれた決断ならば、仮にうまくいかなくてもまた次に進む力が出るし、学びも大きいと思います。

これからのコト

まだ、夢物語ですが、移動販売をやりたいと思っています。お店を2週間ほど休みにして、東北に行ったり、関東に行ったりと場所を限定して、コーヒーを販売したいと思っています。映画で「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」という映画が大好きで、その影響を受けています。ちなみに妄想の中では見えています。(笑)

InstagramなどのSNSを活用して情報を発信していきながら、営業をするのも良いかなと。自分も旅しながら、営業をすると言うスタイルが面白いかなと思います。まだ、妄想段階ではありますが、オープン10年目ぐらいを1つの目安にしたいと思っています。トラック1台買ってと。頑張ります!!!

私のプライベート

当初はコーヒーが趣味でしたが今は趣味を仕事にしたため、今の趣味は「スポーツ観戦」となります。特に野球が好きでシーズンが始まるとプロ野球とメジャーリーグ双方の試合結果に一喜一憂するなど忙しくまた激熱な日々となります。(笑)
このほかにはサッカーも好きでやはり松本市のチーム「松本山雅FC」を応援しています。営業日の関係でなかなかアルウィンに行くことはできませんが「One Soul」魂で勝利を祈っています!

また相澤病院さんが当店近くにあることもあり、スピードスケートの小平選手も応援しています。
スポーツはやっぱりいいですね~!!!

最後に一言

色々なコーヒーの楽しみ方をご提案させていただきます!
ご来店お待ち申し上げます。

FIFTY-ONE COFFEE
■住所 長野県松本市深志3-8-19
■営業時間 11:00-18:00 木曜日・第3金曜日、年末年始 ※臨時休業あり
■TEL 0263-87-2537