FEATURE2018.09.18 Text By ryosuke kobayashi ,
Photographs By ryosuke kobayashi

ミートパイから学んだおもてなし |High-Five COFFEE STAND 髙木 徹仁 #1

High-Five COFFEE STAND

髙木 徹仁

Uターンセルフリノベーション夫婦経営思い出の店

喫茶店のマスターになります!

出身は長野県塩尻市です。
大学進学を機に神奈川へ出て、2016年に長野県に戻ってきました。
高校卒業から飲食に携わっていて、関東近辺のチェーン店や、喫茶店などで働いていました。一回ラーメン屋を挟みましたが、、、。(笑)

17,18歳の時は、漠然と「喫茶店のマスターになるな」と思っていました。(笑)
きっかけは、今はもう無いのですが、高校生の時に良く足を運んでいた喫茶店です。
それまでファストフード店とかしか行ったことがなかったのですが、その喫茶店に行った時に初めて自分を一人のお客さんとして接してくれたことが嬉しくて通っていました。

それがある日お店に行ったら、道路拡張の為に閉店になったと張り紙があって、急にお店が閉まってしまいました。
通っていたお店が潰れてしまったことにすごく悲しんだ覚えがあります。
しばらくこの出来事から気持ちがふわふわしていたのですが、ちょうどその頃に進路相談の面談がありました。
担任から「お前どうするんだ。」と聞かれた時に、「喫茶店のマスターになります!」と気付いたら言っていました。(笑)

今のお店は、当時のスタイルとかは別に継いでないですけど、なんとなく良かったと思っていた店があったという事実を継いでいきたいと思って、漠然と「お店を開きたい。」と思っていました。

その喫茶店は、コーヒーも特別なこだわりは無かったかもしれないけど、学校さぼっている人とか、仕事の合間の人とかが入れ替わりお客さんとして来ていて、いつも誰かがいるお店でした。
サービスを受けたと自覚をしたのが、ナポリタンを注文して、食べ終わった後に、「ナポリタン少し少なかった気がするから、ミートパイ焼いたから食べて」と言われて、そんなサービスあるのかと。(笑)
機転というか、高校生の自分には少なかったのではないかと言う憶測で足してくれたのではないかと。
今までそんなことをされたことがなかったので。(笑)
ファストフード店ではある程度マニュアル通りのサービスしか提供されない中で、自分個人として気をつかってもらってミートパイを出してくれたことが嬉しくて、すごいおなか一杯だったのですが食べました。(笑)

目で見た文化を融合させる

長野県に帰ってお店を開くというのは大学に行く前から決めていたのですが、日々過ごしていくなかで、「30歳までに帰ってきたい。」と思うようになりました。
その想いがきっかけで30歳までに何をすれば良いかを逆算をして、勉強をしたり、休日を使って、いろんなお店を見たりしていました。

その中で勉強の一環として、仕事を辞めた段階で影響を受けそうなお店に行こうと言うことでニューヨークへ行きました。
そこで得たことがお店に反映されています。
例えば、「スワローカフェ」というお店があって、これは計画の中には入れておらず、偶然見つけたお店です。
そこは地域にすごい密着していて、老若男女いろんな人が入れ替わり立ち代わりでお店を利用していました。
そこから人気のお店であることはわかったのですが、どうして人が来るのかとその場で分析した時に、色使いやお店の作りにヒントを得て、今のお店に反映させています。

もともと喫茶店の文化が好きですが、ファストフード店を嫌っているわけではなく、むしろ、ファストフード店のオペレーションにはすごい興味がありました。
いろんな人が入れ替わり立ち代わりで来るコーヒー屋を開けば、自分も楽しいのではないかと感じていました。
なので、喫茶店の要素だけではなく、ファストフード店の要素も織り交ぜながらお店づくりをしています。
やっていることは喫茶店と同じなんですけど、出せるメニュー全てにテイクアウトが出来るように設計をしながらこういう業態に落ち着きました。
自分で作ったものをお客様に食べてもらう、飲んでもらうという事は大切なのですが、それを手早くやっている姿がファストフード店はかっこ良いなと思って、包材や、袋に入れる感じを含めて、演出出来れば良いなと考えました。

物件に関しても、出来るだけテイクアウトに特化していることを想像できる物件を探していました。
特にこだわった部分がこの場所が何屋であるのかがすぐに想像してもらえるという事です。
全面ガラス張りで外から店内の様子が見えるという点、また、入ってすぐコーヒーマシン等を置いて、外からでもコーヒー屋であることが分かるようにしました。
店内も広くはないのでコーヒーの香りがするし、といったところで、物件を選びました。
お店づくりも、テイクアウトの特化した形で、オペレーションをしやすいように設計をし、気軽に足を運んでもらいやすいような内装作りをしました。

 

High-Five COFFEE STAND

■住所 〒399-0805 長野県松本市深志3-1-3 1F Googlemap

■営業時間 10:00-19:00 定休日:水曜日

■TEL 0263-87-4574

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