みんなのイルカラ2019.07.31 Text By ryosuke kobayashi ,
Photographs By ryosuke kobayashi

みんなのイルカラ#5 無奏天生

無奏天生

みんなのイルカラ #5
無奏天生
@infoyami2ki さん

オタクの定義は何かと言われれば難しいところではありますが、このお店の店主…完全に「オタク」なんです。

今年2019年に開店5周年を迎えた塩尻市の名店「無奏天生」。

私をある意味ではいけない道へと誘ってくれた「いけないお店」の1つです。

今や広島県の名物としてすっかり定着した「汁なし担々麺」。

その名店である「くにまつ」の常連でもあった無奏天生の店主が、こだわりをもって完成させた無奏天生ならではの汁なし担々麺は長野県汁なし担々麺選手権で上位を争う仕上がりと言っても過言では無いでしょう。

汁なし担々麺の初心者に良くある「汁なし担々麺って…汁あるじゃん!」の掛け声から始まり、しっかりと混ぜるたびに汁が無くなっていく本場広島スタイルの担々麺がここにはあります。

強めに効いた辛味と華やかに薫る山椒の痺れを併せ持つ担々麺に衝撃を受けた私。

これだけのものを完成させ、私の新たな一面を見出してくれた店主に感謝の言葉を送りたいくらいなのです。

そう…私にとってこのお店の汁なし担々麺は最早「汁」だけでなく「文句」も無い最早「文句無し担々麺」…でもあります。

当初は「汁なし担々麺の美味しいお店」として無奏天生を認識されていた方も多いような気もしますが、このお店の手掛けるメニューはどれも主役級。

例えば、個人的に必ず注文するメニューの1つであるしっとりチャーシューをジャパニーズ寿司スタイルでいただく「俵チャーシュー握り」。

さらには、山賊焼きが有名な塩尻市であえて登場する「塩尻市のファミチキ」と私の中で秘かな話題を呼んだ「大きな唐揚げ」などサイドメニュー1つとっても店主のこだわりが光ります。

このお店の大きな特徴は、店名の無奏天生の「無」の字に込められた意味の通りほとんどのメニューが「無化調(化学調味料)」で仕上げられているところにあります。

店主は以前私に「化学調味料と塩分の関係性について」の講義を開いていただいたことがあるくらい研究熱心な方で、化学調味料を使えば一発で仕上がる味をあえてソレを使わずに色々な食材・知識を用いてラーメンを作り上げる難しさについて何故か嬉しそうに語っていました。

あの輝くような無邪気な顔は今でも忘れられません。

レギュラーメニューから限定メニューまで、まるで化学実験をするかのように挑戦と修正を繰り返して素晴らしいものが作り上げられています。

そう。

最早無奏天生の店主は「ラーメン界のでんじろう博士」と言っても過言では無いのです。

どちらかと言うとラーメン屋さんのイメージが先行してしまうお店ですが、以前いただいた麻婆豆富定食が絶品だったのもまた印象的です。

丸美屋の麻婆豆腐の素も勿論美味しいのですが、ここの麻婆豆富は家庭的なその味とは一線を隔した中華料理店のアノ味です。

ラーメンだけでなくあらゆる「食」と向き合い、自分なりのこだわりを貫き通すその姿勢は自分の中の「尊敬すべきオタク像」そのものであります。

無奏天生、そして店主のオタクっぷりを知れば知るほどに「汁なし担々麺の美味しいお店」というイメージを飛び越え「食に関する研究開発を進めて進化し続ける食の百貨店」と言った方がしっくり来るかもしれません。

常に想像を超えたものを提供し、また行きたくてウズウズしてしまうようなお店「無奏天生」

良い意味で「最高のオタク」がそこには居ます。

「俺より凄いオタクに会いに行く。」

さあて、またズルズルっ…とかっ喰らいにいきますかぁ!

以下、ヤミツキマツモトさんのリンクです!
◎ブログ
◎YouTube
◎facebook
◎Twitter

無奏天生

■住所 〒399-0737 長野県塩尻市大門8番町3-4 第6イワサビル 1F Googlemap

■営業時間 11:30~14:00 18:00~23:00 定休日:月曜日

■TEL 0263-88-3101

HOME