インタビュー2018.12.20 Text By ryosuke kobayashi ,
Photographs By ryosuke kobayashi

料理を届ける最終アンカー|焼肉ハウス「大将軍」#1 柴田 和志

焼肉ハウス大将軍

柴田 和志

恩師の言葉

出身は、長野県の岡谷市です。高校まで、岡谷市で過ごしていました。当時は、高校卒業後、進学するのか、就職するのか悩んでいました。ですが、その時に感じていたのは、「進学しても、将来本気でやりたいことが無い。」ということでした。就職に気持ちが向いていましたが、ある言葉が進路選択の後押しになりました。

今でも尊敬している中学生時代の担任教師の言葉です。中学卒業の日に「1度、就いた仕事は絶対に10年は続けてくれ。」と言われました。その言葉が高校3年間ずっと頭に残っていて、自分の性格を加味しながら、飽きない仕事をしようと考えました。
「飽きない仕事とは何か。」を考えてると、飲食関係の答えが出ました。就職しようと決めてから、就職先を決めるために、学校に届く就職案内をチェックしていきます。諏訪地域は、上諏訪温泉があり、多くの求人が出ていたのが、旅館、ホテルでした。そこで、「ホテルマンってカッコ良いな。」と思い始めました。最初は、そんな単純な理由です。(笑)


そんなこともあり、高校卒業後は、就職で諏訪市にあるホテルで働き始めました。ホール担当です。もともと料理はやっていなくて、やるつもりもありませんでしたが、人と話すのが好きだったので、ホールが向いているかなと思っていましたし、この仕事であれば10年続くかなと思っていました。

ホテルマンデビュー

就職してからは、想像を超えることがたくさん起きました。お客さんの前で接客というよりも、宴会場の準備、配膳といった裏仕事が多くありました。就職前のイメージとは違って、「こんな仕事までしなければならないのか。」と、当時は感じていました。毎日、「嫌だな。」と思っていましたよ。(笑)

また、キッチンとホールのコミュニケーションが難しい職場だったので、料理を違うお客さんに間違えて提供してしまえば、「もう作らないよ。」と言われたり、こぼしてしまったら、怒鳴られる。そんな日々でした。それでも仕事を辞めなかったのは、中学の担任の言葉が励みになったし、職場の先輩方が可愛がってくれたことが大きかったです。ヘコんでいると、見計らったように飲みに連れていってくれるような先輩でした。最初は、上手くいかなかったキッチンとのコミュニケーションも、どんどん距離が縮まっていき、一緒に飲みに行くことも増えていきました。

また、自分に常連さんがついてくれたことは本当に嬉しかったです。色々な事がありながら、あっという間に10年が経った感覚です。宴会場、中華レストラン、ブライダル会場など10年間で多くの現場を経験しました。今、考えると恵まれた環境だったなと強く感じます。

大切なお客様リスト

この10年間で特に学んだのは、人間関係の大切さです。挨拶といった基本的なこともそうですし、上司、先輩との上手い付き合い方は学びました。早く出世したいといった貪欲な部分もあったので。(笑)いかに、先輩、お客さんに気に入られようかは、常に考えていました。その経験が、今では自分の欲とか関係なしに出せるようになってきた実感はあります。

また、誰にでもフラットに接客をする事は頭に入れていました。企業の社長さんや、重役の人が来たときは、基本的に従業員は接客を嫌がります。怒られている姿もよく見て来ました。ですが、あえて自分から率先して、気に入られようと担当についていました。お客さんに顔を覚えてもらう嬉しさを早い段階から覚えることができたことが大きかったと思います。接客をしたお客さんに「柴田くん」と顔を覚えてもらった時に、自分の中で何かが変わったと思います。もっと自分のことを覚えてもらいたいと思いましたし、その分、自分もお客さんのことを覚える努力をしていました。顔や、特徴、好きなドリンクをリストにまとめて、来店されたお客さんにはリストに沿って、あらかじめ段取りを組んでいくことをしていました。お客さん一人一人に合わせた接客をやっていました。「自分の名前を覚えてくれたお客さんのことを忘れない。」をモットーに、お客さんのリストは今でも宝物になっています。

料理を届ける最終アンカー

入社5年目ぐらいの時に、1度天狗になってしまった経験があります。レストランサービス技能検定(HR)という国家試験の2級に合格した時です。この時、「良いところまで上り詰めたぞ。」と思ってしまったんです。でも、その時勉強した知識は、今では全く通用しない。当時流行っていたドリンク、ワインの種類はガラッと変わっています。気がついたら、時代遅れになっている。日々、勉強していかないとこの仕事は続かないという事を痛感しました。勉強せずに、知識が無い者はお店に立ってはならないと思っています。特にホールに関してはそうです。

世間一般の人たちは、ホールよりキッチンの方が立場が強いというイメージを持っていると思います。しかし、僕はそうとは思いません。どっちが上というわけでは無いですが、ホールはリレーでいう最終アンカー。知識、技術が無い人間がホールに出ることがどれだけ怖いことか。お客さんは、ホールの人間は、ある程度お店のことはわかっている前提でお店に来ます。その中で、聞かれた時に、「わかりません。」では、二度とお店に来ていただけないと思っています。「確認しますね。」も決して間違いでは無いのですが、その前に勉強、準備できることは必ずあるはずです。

ホールは、プライドや知識、恐怖感は常に持っていなければならないと思っています。なので、常に勉強する姿勢を持つ必要があります。「自分がこの料理を届けるんだ。」という強い想いは必要です。届ける一品には、農家さんの努力や、命の大切さが詰まっている。今の飲食業界には、知識の無いホール、愛想が良いだけで満足しているホールが多いと思うので、そこは変革をしていきたいと思っています。うざいぐらいに、ホールのプライドはあると思います。(笑)こういった精神を持った仲間を増やしていければと思います。常に街に出て、刺激を受けて勉強しないといけない。

人生を変えた出会い

当時、付き合っていた彼女と大将軍に食べに来たことがきっかけです。大将軍がオープンしてから、約1ヶ月後に行きました。その時、カウンター席に座って、肉を食べた時に、「こんなに美味しい肉食べたことない。」「本物のお店にきたぞ。」と素直に思いました。また、1つ歳上の人が、お店を構えて、経営者をやりつつ、カウンターで肉をさばく姿を見た時に、とにかく衝撃を受けた。何度か通っているうちに、プライベートでも飲みにいくようになりました。関わっていく中で、「すごいレベルの差がついている。」と感じるようになりました。人生経験で「負けたな。」と。

人生30年濃密な生き方をして来た人とここまで差が開いたのかと。自分が来年お店を出すとしたら何も出来ない。技術も無いし、人脈もない。自分と照らし合わした時にキッチンとホールの違いは関係なく、ただただ自分の勉強不足だと感じました。自分自身も料理を作れるスキルをつけたい想いがあった中で、「一緒にやろうよ。」と言っていただけました。ホテルを辞め、1から修行させてくださいという形で大将軍で働き始めました。自分がチャレンジする機会は、あと何回残っているだろうと考えた時に、今やらないと後悔すると思いました。


「まだまだ大将軍1店舗では、満足していないし、既製品で溢れている飲食業界の常識変えるんだ。」と話をされていて、想いに共感する部分も多くあり、遠目で羨ましいなと思っていても仕方がないし、仲間になることが1番だと思いました。

私のこれから

今後は、自分のお店を持つ夢を叶えたいと思っています。さらに大きいところだと、ずっと携わって来た、飲食業界が好きなので、業界に貢献したい気持ちがあります。軽率な対応や、業務的なお店が増えたりという現状があると思います。そういったところをホールの視点から変えていきたいと思います。

また、若い子には、「お客さんと会話をして、お客さんの為に仕事をする飲食は楽しいよ。」と話をしています。こういったことをもっともっと浸透させていきたいと思います。アルバイトの子には、ここで積んだ経験を生かしてもらって社会に出て行って欲しいと思います。飲食の楽しさを知って、飲食を続けてくれる子がいても面白いと思っています。僕も30歳になって、教わることから、教えることにどんどん回らないといけないと思っているので、どんどん良いものを残していきたいと思います。

私のプライベート

好きな女優は、篠原涼子です。いや、前々から鈴木亜美です。僕、鈴木亜美が大好きです。(笑)本当に。(笑)僕の青春なんです。中学から永遠と片想いですよ。(笑)


アウトドア派なので、外へ出かけることが多いです。休みの日の方が、出勤日より早く起きます。(笑)夜は、お客さんと飲みに行くことが多いのですが、一日空いていれば日帰りで旅行に行きます。県外も日帰りで行きます。食べるのが好きですし、非日常空間があるのが良いですね。逃げたいわけでは無いですよ。(笑)釣りにも行きます。基本川釣りで、山奥でヤマメを釣ったりしています。

最後に一言

皆さんにお会いできる日を楽しみに待っています!是非、お越しください!

焼肉ハウス大将軍

■住所 〒399-0001 長野県松本市宮田1-16 Googlemap

■営業時間 ランチ(土曜日・日曜日・祝日) 11:00~14:00 ディナー 18:00~23:00 定休日:水曜日

■TEL 0263-50-4127

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